2008年10月17日金曜日

vol.6 うめはらなかせのギター(後)








文章が長くなりすぎたので2回に分けました。下の前編からお読みください。


う 
そうだ! 忘れてた。マーチンのバックパッカーというギターを買 いましたね。これは仕事をいただいている業界紙の社長さんから社長賞というのを5万円いただいて、そのうち3万円を使って買いました。社長さんの誕生パー ティーに、よくバックパッカーを持っていきましたね。ただ、これは弾きにくいうえに、音もよくなかった。

な この間、酒谷さんに来てくださった社長さんですね。下積み時代からうめはらさんを支えてくれたはる。

 はい、その社長さん。「お富さん」も、その社長さんの名前に富がつくので、替え歌をつくって歌ってました。それがいまのレパートリーにつながってます。

 バックパッカーてどんなギターですの? 何か意味がありますのん?

 バックパッカーっていうのは、背中にバックパックを背負って旅をする若者のことですね。そういう旅人でも持ち運べる軽便なギターってことです。

 へえ、そんなギターがあるんですね。「ギターを抱いた渡り鳥」ていうのありましたけど、ギターを背負ってはりましたから、まさにバックパッカーや!

  ギターを背負った渡り鳥やったんですね。で、やっと、うめはらなかせのギターが登場するのが2006年の春です。それ以前はマルハギターがあったものの全 然弾いてませんでした。25年くらい弾いてなかったでしょうねえ。ちょうどその頃、ヤフー掲示板の「PP&Mはどこへ行ったの?」にときどきコメントを書 き込むようになって、それで久しぶりにギターを弾いてみたいと思うようになってました。

 オフ会もありますからね。

  で、思い立って、ギター弾きとしてのリハビリも兼ねてワタナベ楽器店でレッスンを受けることにしたんです。楽器を買うと入会金が免除されるというので、こ の機会に買おうと思いました。ギターはお店にあるのを試奏させてもらって、K.ヤイリが気に入りました。色白で清潔感があって、ピックガードも透明で。

 見た目で選んだんかい!

う はい、ビジュアル重視で。ところが、これ、コンパクトギターだったので、そ のフルサイズ版であるLO-95を注文しました。値段は割引してもらって10万円ちょっとだったと思います。

 マーチンバックパッカーを下取りに出して?

う よ うわかりましたね。1万円で買い取ってもらいました。ヤイリは注文生産だったので、4か月以上待ちましたよ。試し弾きしてないので不安でした。どうせまた ハズレだろうと思ってたら、いや、これがアタリ。うれしかったですね。掲示板のオフ会に持っていったら、皆さんにほめていただきました。

な こ のヤイリ、涼しい音がしますよね。凄く好きです。いままで自分が歌えることだけで満足でしたから、ギターの音とかあまり頓着しなかったんです。でもこれは ええ音です。姿も美しい。色白で品がよろしい。オフ会でそう言ったら、「うれしいこと言うてくれはる」て、うめはらさんご満悦でした。単純なやっちゃ。

 なかせさん、そんなん言うてくれはりました? まったく覚えてません。それで、もう1台がなかせさんのオベーションです。これがいま、うめはらなかせの常備ギターですね。

  そう、でも、これがいただきものなんです。なんてお饅頭みたいですね。太っ腹な人でしてね、ギターを何台も持ってはるんです。いただいたときは、お花の模 様のキレイなギターやとただうれしがってたんですけど、どこへ持っていっても、「オベーションのガット!」と珍しがってもらいます。改めて、えらい上等な ギターをくれはったんやなあと感謝してるんです。

 単に性別が女性やていうだけでトクしはりましたなあ。また、ものほしそうな顔してはったんちゃいます?

 そんな顔してしません。カンのたつやっちゃなあ。

 バシッ!

う イテ。

 持ってないて言うたらくれはったんですぅ。そや、我が家にはもう1台変わったギターがあります。レキントギター、これもお友だちから永久貸与ですねん。

う 返す気ぃないな。

 バシッ!

な 返してて言われたらいつでも返します。お友だちは、そんな気ぃないけどね。このレキントギター、上等なんですよ。私の人徳やなあ。このギターの出番をつくってみたいです。

 なんか鶴岡雅義みたいになりません? 鶴岡雅義「レキントギターの世界」CD2枚組3,780円 (税込) いうのん出てますよ。

 知らん。まあ、うめはらさんは曲によってギターを変えて、少しでも音の幅を広げようと考えたはりますもんね。その意味でも、ありがたいオベーションです。

 柔らかい音色でアルペジオを弾きたいときはオベーションが合いますね。アンプに通すと、とくに低音がよく響きます。

 オベーションにありがちな派手な色合いでなく、落ち着いた色ですしね。

う そ れとスチール弦ばっかりやと指が痛い。いまは練習のとき、つまり1~2週間に1回くらいしかギターを弾かないので、なかなか指の皮が厚くなりません。そん なぼくの指にとって、ガット弦のオベーションはやさしいオアシスみたいなギターです。それにピックアップも最初からついてたし。

 ピックアップて?

う 弦の振動を、電気信号として検出する装置のことで、これがあるとギターマイクなしで音が出せます。

 オベーションもヤイリも、私たちがバンドをするためにしつらえたように手元にやってきましたね。この2台のギターが私たちのHPも飾ってくれています。

 その後、ヤイリでライブをやるようになって、こっちにもピックアップの必要性を感じるようになりました。で、メーカーに戻して、フィッシュマンという会社のピックアップを取りつけてもらいました。この音もけっこう気に入っています。

な 音色に変化がなくて良かったですよね。

 ほんまにねえ。それで、今年になって、うめはらの2台目のギターとなったのが、30年の時を経て、N君から買い戻したヤマハギターでした。売ったときの値段で買い戻すて言うたんですけど、「けっこう傷もつけたし」て、マケてくれたんです。ええやっちゃ。

な てことで、うめはらさんのギターて、たった2本? 少ないわー。

う けっこう、昔からハズレのギターにあたってきましたしね。ぼくはええギターを買うお金があったら、それだけのお金を出してレッスンを受けたいなあ。残念ながらお金も時間もないしむりですけど。

 ええギターより、ええ腕前がほしいわけですね。

 はい。安もんのギターでも、上手な人が弾いたら、ええ音が出ます。

 懐かしのヤマハギター、まだステージでは使ってませんね。

 ときどき家で弾いています。うめはらなかせのホームページのリンク先にある「柾目ウッドメーカー」さんで調整してもらったので、少し弾きやすくなったのですが、もともとネックの太いギターなんで、やっぱりしんどいですね。低音はけっこういい音です。

 太い音がしますね。

 なかせさんの体型に合わせてね。

 バシッ!
 バシッ!
 バシッ!

な ほんまに憎たらしいなあ。

 肉足したらしいて? それは前からでしょう。

 ほんまに腹立つ。うめはらさんが私のことを太いとか狸とか言うから、皆さんからも言われるでしょ。蹴ったろ。

 バスッ!
 バスッ!

う いてて、いてて、いててええよ~~~~~~~~♪

 ♪今月ちゃ足りない借りねばならぬ~~~

う デ! イデデイデデイデデ~~~オ♪ というわけで、次回はうめはらなかせの「探しまわった練習場所」について。


つづく